5月に入り、顧客への礼状や季節の案内メールを更新するタイミングで、「今の時期にふさわしい言葉はどれだろう?」と迷うことはありませんか。ゴールデンウィークを境に、季節は春の余韻から初夏の輝きへと劇的に変化します。この繊細な移ろいを言葉に添えるだけで、私たちが送る一通は「事務的な連絡」から「心を通わせる手紙」へと変わるのです。
本記事では、5月上旬・中旬・下旬それぞれの時期に最適な時候の挨拶と、そのまま使える例文を詳しく解説します。
5月の挨拶文で大切なのは「季節の移ろい」を捉えること
5月の挨拶において最も重要な基準となるのが、5月5日頃の「立夏(りっか)」です。この日を境に、暦の上では春から夏へと季節が切り替わります。
5月は、暦の上では「立夏(5月5日頃)」から夏に入ります。そのため、5月の挨拶は、上旬は春の名残を感じさせる言葉、中旬以降は初夏の訪れを感じさせる言葉を使うのが一般的です。
出典:All About
このように、5月は一ヶ月の間で「晩春」から「初夏」へと表情を変えるため、送る日付に合わせて表現を使い分けることが、信頼に繋がります。
5月上旬(GW・立夏まで)の挨拶:春の名残と新緑の始まり
5月1日から10日頃までは、まだ春の終わりを惜しむ「晩春」のニュアンスを含んだ言葉が適しています。特にゴールデンウィーク期間中は、休暇明けの慌ただしさや、連休中の穏やかな気候に触れると共感を得やすいでしょう。
「新緑の候」「薫風の候」などは5月を通して使いやすい表現ですが、特に「晩春の候」は5月上旬まで、……に使うのが適切です。
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【例文】ビジネス・フォーマル(漢語調)
- 晩春(ばんしゅん)の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 葉桜(はざくら)の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。
【例文】個人・カジュアル(口語調)
- 連休明けの爽やかな風が心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 暦の上では立夏を迎え、日増しに夏めいてまいりました。
5月中旬・下旬の挨拶:初夏の輝きと「小満」の訪れ
5月11日以降、特に後半になると、日差しが強まり「夏」の気配が色濃くなります。21日頃には二十四節気の「小満(しょうまん)」を迎え、万物が成長し満ち始める時期となります。
「小満の候」は5月下旬(21日頃以降)に使うのが適切です。
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【例文】ビジネス・フォーマル(漢語調)
- 薫風(くんぷう)の候、貴社におかれましては、いよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます。
- 小満(しょうまん)の候、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
【例文】個人・カジュアル(口語調)
- 新緑が目に鮮やかな季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。
- 走り梅雨に濡れ、木々の緑がいっそう色鮮やかになってまいりました。
ビジネスメールで失敗しない「5月の書き出し」構成術
ビジネスシーンでは、相手への敬意を示すために「漢語調」の時候の挨拶を用いるのが正式なマナーです。構成としては、頭語(拝啓など)の直後に時候の挨拶を置き、続けて相手の繁栄を喜ぶ定型句を繋げます。
ビジネスメールでは「貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」といった定型句の前に、月ごとの「漢語調」の時候の挨拶を添えるのが正式なマナーとされる。
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標準的な構成テンプレート
- 頭語: 拝啓
- 時候の挨拶: 新緑の候
- 相手の安否・繁栄: 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 感謝の言葉: 平素は格別のご引立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
文章を美しく締めくくる「5月の結びの言葉」
書き出しで季節感を出したなら、結びの言葉でも5月らしい爽やかさを維持しましょう。相手の健康を祈る言葉に、今の時期ならではのキーワードを添えるのがコツです。
新緑、薫風、若葉、青葉、皐月、立夏、小満、八十八夜、ゴールデンウィーク、五月晴れ。
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シーン別・結びの例文比較
| シーン | 結びの言葉の例 |
|---|---|
| フォーマル | 新緑のみぎり、皆様のますますのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 |
| ビジネス | 季節の変わり目ですので、何卒ご自愛専一にてお願い申し上げます。 |
| カジュアル | 風薫る五月、お健やかな日々をお過ごしください。 |
| 下旬・梅雨前 | 梅雨間近の折、くれぐれもお体にお気をつけてお過ごしください。 |
5月の挨拶は、新緑のように瑞々しく、相手の心に爽やかな風を届けるような表現を心がけましょう。時期に合わせた適切な言葉選びが、誠実さと教養を相手に印象づけるはずです。
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