「春になると一面をピンクに染める芝桜の絨毯、あんな風に自分の庭も彩れたら……」と、あなたも一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。
しかし、いざ植えようと思うと「うちの日当たりで大丈夫かしら?」「もっと手入れが楽な似た花はないの?」と、迷いが生まれることもありますよね。芝桜は非常に人気がありますが、実はその可愛らしい姿に似た、個性豊かな花々がたくさん存在します。
本記事では、芝桜に似た花10選をピックアップし、それぞれの特徴や芝桜との違いを詳しく解説します。あなたの庭の環境や好みにぴったりの「運命の一株」を見つけるお手伝いができれば幸いです。
まずは知っておきたい芝桜の基本と特徴
比較を始める前に、基準となる芝桜(シバザクラ)がどのような植物なのか、その正体をおさらいしておきましょう。
芝桜は、北米原産のハナシノブ科の多年草です。名前の由来は、芝のように地面を這って広がり、桜に似た形の小さな花を咲かせることから。別名「ハナツメクサ(花爪草)」とも呼ばれます。
シバザクラ 別名ハナツメクサ(Phlox subulata)
ハナシノブ科の多年草。北米原産。
4月~5月、赤、桃、白、紫などの小さな花を咲かせます。
葉が細く、芝のように広がることからこの名がつきました。出典:御勅使南公園
芝桜は非常に強健で、日当たりと水はけの良い場所を好みます。一度根付くと横にどんどん広がるため、雑草対策を兼ねたグランドカバーとして非常に優秀な植物です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Phlox subulata |
| 開花時期 | 4月〜5月 |
| 草丈 | 10cm〜15cm |
| 耐寒性・耐暑性 | 非常に強い |
| 主な用途 | グランドカバー、石積み、花壇の縁取り |
芝桜に似た花10選|見た目や性質の違いを徹底比較
それでは、芝桜に似た魅力的な花々を見ていきましょう。見た目がそっくりなものから、性質が似ていて代用できるものまで、厳選して紹介します。
1. マツバギク(松葉菊)
芝桜と最も混同されやすいのがマツバギクです。花の形は似ていますが、葉が多肉植物のようにぷっくりと肉厚なのが特徴です。芝桜よりも乾燥に強く、夏の間も長く咲き続けます。
2. クリーピングタイム
ハーブの一種で、芝桜と同じように地面を這うように広がります。小さなピンクや白の花を密集して咲かせる姿は芝桜にそっくりですが、踏みつけに強く、歩くたびに爽やかな香りが漂うのが最大の魅力です。
3. イベリス(宿根イベリス)
別名「キャンディタフト」。真っ白な小花がこんもりと集まって咲く姿は、白い芝桜と見間違えるほどです。芝桜よりも少し背が高くなり、より立体的な景観を作りたい時に適しています。
4. アジュガ
日陰でも育つグランドカバーの代表格です。芝桜が苦手な「半日陰」の場所で、青紫色の花をタワー状に咲かせます。葉の色も銅葉などバリエーション豊富で、花のない時期もカラーリーフとして楽しめます。
5. フロックス(ツルハナシノブ)
芝桜と同じフロックス属の仲間です。芝桜よりも花が一回り大きく、少し背が高くなります。より「花」としての存在感を強調したい場合におすすめです。
6. サギゴケ
日本に自生する植物で、湿り気のある場所を好みます。紫や白の花を咲かせ、芝桜よりもさらに低く地面に張り付くように広がります。和風の庭にもよく馴染みます。
7. ヒメツルソバ(ポリゴナム)
金平糖のような丸いピンクの花を咲かせます。非常に繁殖力が強く、放っておいてもどんどん広がります。芝桜よりもワイルドな雰囲気で、石垣の間などから垂れ下がる姿が美しいです。
8. プラティア
星型の極小の花を散りばめたように咲かせます。芝桜よりもさらに繊細な印象で、踏みつけにもある程度耐えるため、飛び石の間などに植えるのに最適です。
9. ベロニカ・オックスフォードブルー
濃い青色の花が特徴です。早春から咲き始め、芝桜が咲く前の庭を彩ってくれます。冬の間は葉がブロンズ色に紅葉し、一年を通して表情の変化を楽しめます。
10. ムラサキサギゴケ
サギゴケの紫花品種です。芝桜の紫系品種と色が似ていますが、花の形が唇状(しんじょう)という独特の形をしています。湿潤な環境を好むため、水はけが良すぎる場所よりは、少し湿り気のある場所に向いています。
「桜」の名を持つが桜ではない花たち
芝桜のように、名前に「桜」と付くけれど、樹木の桜とは全く別の植物も多く存在します。これらは花の形が桜に似ていることから名付けられました。
桜という名の、桜ではない花
芝桜(シバザクラ)
ハナシノブ科の多年草。
花の形がサクラに似て、芝のように地面をはって広がることからこの名がつきました。出典:ラクハナBlog
他にも、以下のような「桜」の名を持つ花があります。
- サクラソウ(桜草): 日本の初夏を代表する花。芝桜よりも茎が立ち上がり、優雅な雰囲気です。
- ニオイザクラ(ルクリア): 冬に甘い香りの花を咲かせます。鉢植えで楽しまれることが多いです。
- セイヨウサクラソウ(プリムラ・マラコイデス): 冬から春にかけて、段状にたくさんの花を咲かせます。
これらの花は、芝桜とは育つ環境や時期が異なるため、名前の響きだけで選ばず、それぞれの性質を理解して植えることが大切です。
失敗しない!庭の環境に合わせた植物の選び方
「どれも素敵で迷ってしまう」というあなたのために、失敗しない選び方のポイントをまとめました。植物選びで最も大切なのは、「植えたい場所の環境」と「植物の性質」をマッチさせることです。
日当たりで選ぶ
- 日向(1日中日が当たる): 芝桜、マツバギク、クリーピングタイム
- 半日陰(数時間だけ日が当たる): アジュガ、イベリス、ベロニカ
- 日陰(ほとんど日が当たらない): アジュガ(花付きは少なくなりますが育ちます)
メンテナンスの頻度で選ぶ
- とにかく楽をしたい: マツバギク、ヒメツルソバ(広がりすぎに注意)
- 雑草対策を徹底したい: 芝桜、クリーピングタイム(密に広がるため)
- 香りも楽しみたい: クリーピングタイム
芝桜は、一度植えれば毎年花を咲かせてくれる多年草です。寒さや暑さに強く、病気も少ないので、初心者の方でも育てやすいのが魅力です。
芝桜とその仲間たちで彩る、あなただけの庭づくり
芝桜に似た花を知ることは、あなたの庭の可能性を広げる第一歩です。
日当たりの良い場所には芝桜を、少し湿った日陰には アジュガを、そして歩く場所にはクリーピングタイムを。それぞれの植物が持つ個性を活かして組み合わせることで、季節ごとに表情を変える、より深みのある庭が完成します。
まずは一株、あなたの心が動いた花を手に取ってみてください。その小さな一歩が、来年の春、あなたの庭を最高の景色に変えてくれるはずです。




