大切な人から贈られた花束や、季節の移ろいを感じさせてくれる庭の花々。「この美しさを、枯らさずにずっと手元に置いておけたら」と思ったことはありませんか。そのままにしておけば数日で萎れてしまう花も、押し花にすることで、その色彩と形を長く留めることができます。
しかし、いざ自分で作ってみようとすると「色が茶色くなってしまった」「カビが生えてしまった」という失敗も少なくありません。あなたが大切に想う花を、最高の状態で残すためには、いくつかの重要なポイントがあります。
本記事では、多くの制作経験から導き出した、初心者でも失敗しない押し花の作り方を詳しく解説します。あなたの想いが詰まった花を、色鮮やかなアートへと生まれ変わらせてみませんか。
仕上がりを左右する「ひと手間」|押し花にする前の下準備
押し花のクオリティは、実は「乾燥させる前」の段階で半分以上が決まります。ただ本に挟むだけではなく、花の状態を整える「ひと手間」を加えることで、乾燥後の美しさが格段に向上します。
特に、バラのように厚みのある花や、水分を多く含む花は、そのままでは乾燥に時間がかかり、変色の原因となります。
押し花にする前に、お花に次のようなひと手間くわえるだけで、よりきれいに仕上げることができます。
具体的な下準備のステップ
- 余分な水分を拭き取る:花びらに水滴がついている場合は、ティッシュで優しく吸い取ります。
- 厚みを調整する:ガク(花の付け根の硬い部分)が厚い場合は、カッターで半分に削ぐか、花びらを一枚ずつバラして乾燥させ、後で組み立てる手法が有効です。
- 形を整える:ピンセットを使い、花びらが重なりすぎないように広げます。重なった部分は水分が抜けにくく、変色しやすいためです。
自分に合った方法はどれ?3つの作り方とメリット・デメリット
押し花の作り方には、大きく分けて「電子レンジ」「アイロン」「重し(乾燥シート)」の3種類があります。あなたのライフスタイルや、使用する花の種類に合わせて最適な方法を選びましょう。
| 手法 | 乾燥時間 | 難易度 | 仕上がりの鮮やかさ | 向いている花 |
|---|---|---|---|---|
| 電子レンジ | 数分 | 中 | ★★★★☆ | 厚みのある花、時短したい時 |
| アイロン | 数分 | 中 | ★★★☆☆ | 薄い花、すぐに使いたい時 |
| 重し(乾燥シート) | 数日〜1週間 | 低 | ★★★★★ | 全般、特に繊細な色の花 |
どの手法にも共通して言えるのは、「いかに速く水分を抜くか」が色の鮮やかさを保つ鍵であるということです。
【時短】電子レンジで手早く作る手順と加熱のコツ
「今すぐ押し花にして、アクセサリー作りに使いたい」というあなたには、電子レンジを使った方法がおすすめです。熱によって強制的に水分を飛ばすため、非常に短時間で完成します。
ただし、一気に加熱すると花が焦げたり、色が飛んでしまったりするリスクがあります。
できるだけ素早く、しっかりと乾燥させることが色落ちさせないポイント!
出典:はなどんやマガジン
失敗しないための「段階的加熱」ステップ
- セットする:段ボール、クッキングペーパー、花の順に重ね、さらにクッキングペーパーと段ボールで挟みます。全体を輪ゴムで軽く固定します。
- 加熱(1回目):600Wで20〜30秒加熱します。
- 状態確認:一度取り出し、花の水分を確認します。蒸気を逃がすようにペーパーを少し浮かせます。
- 加熱(2回目以降):まだ湿っている場合は、10〜20秒ずつ追加で加熱します。「一気に」ではなく「少しずつ」が鉄則です。
【定番】アイロンと重し(乾燥シート)で丁寧に仕上げる手順
より確実で、失敗が少ないのはアイロンや乾燥シート(重し)を使う方法です。
アイロンで作る場合
アイロンを「低温」に設定し、当て布(またはクッキングペーパー)の上から数秒ずつ押し当てます。熱を加えすぎないよう、数秒当てたら離して熱を逃がす、という作業を繰り返してください。
重し(乾燥シート)で作る場合
最も伝統的で、形が崩れにくい方法です。専用の「押し花用乾燥シート(シリカゲルシート)」を使用すると、新聞紙や電話帳を使うよりも圧倒的に速く乾燥し、色が綺麗に残ります。密閉容器やチャック付き袋に入れ、空気を抜いて重しをのせるのがコツです。
完成後の美しさをキープする保管方法と活用アイデア
せっかく綺麗に仕上がった押し花も、そのまま放置しておくと湿気を吸って茶色く変色してしまいます。
長期保存のポイント
- 密閉容器を活用:シリカゲル(乾燥剤)を入れたタッパーや、ジップ付きの袋で保管してください。
- 直射日光を避ける:紫外線は退色の最大の原因です。光の当たらない涼しい場所で保管しましょう。
押し花の楽しみ方
完成した押し花は、レジンに閉じ込めてピアスやスマホケースにしたり、手紙に添えたりと、活用の幅は無限大です。あなたが大切に育てた花や、思い出の花束が、形を変えてあなたの日常を彩り続けます。
まずは身近な1輪から。お気に入りの花で、あなただけの押し花作りを始めてみませんか?