大切な取引先の開店祝い、どの色のラッピングを選べば失礼にならないだろうか。赤色は華やかで目立つが、ビジネスシーンでは避けるべきという噂は本当だろうか。
上司から胡蝶蘭の手配を任された際、このような不安を感じたことはありませんか。特に総務や秘書といった立場であれば、自社の品格を左右する贈り物において、マナー違反という初歩的なミスは絶対に避けたいものです。
胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」という花言葉を持ち、ビジネスギフトの定番ですが、実はその「包み方(ラッピング)」一つにも、相手への敬意や配慮が凝縮されています。本記事では、ビジネスシーンで失敗しないためのラッピングの選び方から、避けるべき禁忌色、さらには企業の格を上げる素材の知識まで、専門的な視点で詳しく解説します。
胡蝶蘭にラッピングはなぜ必要?ビジネスギフトとしての役割
ビジネスの場で胡蝶蘭を贈る際、ラッピングは単なる飾りではありません。それは、贈り主であるあなたの会社が、相手の慶事をどれほど重く受け止め、祝意を表しているかを示す「指標」となります。
もちろん、胡蝶蘭そのものの美しさを愛でるために、あえて装飾を最小限にする考え方もあります。しかし、多くの企業が並ぶ開店祝いや就任祝いの場では、ラッピングの有無が第一印象を大きく左右します。
胡蝶蘭ギフトを贈る場合、ラッピングは絶対的なマナーではありませんが、ラッピングを施されていた方がより華やかでお花も映える為、ほとんどの場合がラッピングを施されています。
出典:花ざかり
ラッピングには、花を保護するという実用的な側面に加え、鉢(土)を隠して清潔感を保つ役割もあります。ビジネスギフトにおいては、「整えられた状態」で届けること自体が、相手に対する最低限の礼儀であると考えるのが一般的です。
【厳禁】ビジネスシーンで避けるべきラッピングの色と理由
ラッピングの色選びにおいて、最も注意しなければならないのが「赤色」の扱いです。お祝い事には紅白や赤がふさわしいと感じるかもしれませんが、ビジネスの文脈では全く異なる意味を持ってしまいます。
特に開店祝い、移転祝い、新築祝いといった「建物」や「経営」に関わるシーンでは、赤色は最大のタブーとされています。
ただし、赤は「赤字」や「火事」を連想させる色であるため、開店祝いや移転祝いに赤色のラッピングは避けたほうがよいでしょう。
出典:オフィスギフト
このように、良かれと思って選んだ色が、相手の不利益を連想させてしまうリスクがあります。ビジネスシーンにおける用途別の推奨色と避けるべき色を以下の表にまとめました。
【用途別】ラッピングカラー選択基準
| 用途 | 推奨される色 | 避けるべき色 | 理由・備考 |
|---|---|---|---|
| 開店・移転・新築祝い | ゴールド、ピンク、青、紫 | 赤(単色) | 赤は「火事」「赤字」を連想させるため厳禁。 |
| 就任・昇進祝い | ゴールド、赤白(紅白)、紫 | 特になし | 格式高い紫や、縁起の良い紅白が好まれる。 |
| お供え・法要 | 白、紫、薄緑、紺 | 派手な色全般 | 亡くなってからの日数により、徐々に色を入れる。 |
| 当選・受賞祝い | 赤白(紅白)、ゴールド | 特になし | 勝利や栄誉を称える華やかな配色が最適。 |
企業の格を上げるラッピング選び|素材と色の組み合わせ術
マナーを守るだけでなく、さらに「一歩先の気遣い」を見せるには、ラッピングの素材にまで目を向けてみましょう。一般的に使用される「不織布」だけでなく、和紙やメッシュ素材を組み合わせることで、視覚的な高級感は劇的に変わります。
1. 素材による印象の違い
- 不織布(ふしょくふ): 最も一般的で、発色が良く、水に強いため実用的です。
- 和紙: 独特の風合いがあり、落ち着いた高級感を演出できます。伝統ある企業や、和食店への贈り物に最適です。
- 二重ラッピング: 異なる色の不織布や和紙を2枚重ねる技法です。ボリューム感が出て、単色よりも奥行きのある豪華な仕上がりになります。
2. コーポレートカラーの活用
取引先のコーポレートカラーをラッピングに取り入れることは、非常に洗練された配慮です。ただし、前述の通り「赤」がコーポレートカラーの場合は注意が必要です。その場合は、メインのラッピングをゴールドや白にし、リボンや内側の紙にさりげなく赤を取り入れるといった「バランス調整」を行うのがプロの技術です。
受け取り後のマナー|ラッピングを外すタイミングと注意点
あなたが贈った胡蝶蘭が届いた後、相手側がどのように扱うべきかを知っておくことも、アドバイスを求められた際に役立ちます。
ラッピングは見た目を美しくしますが、植物である胡蝶蘭にとっては、ずっと包まれたままでいることは必ずしも良くありません。
- 外すタイミング: 到着から1週間程度が目安です。
- 理由: ラッピングをしたままだと鉢の中の通気性が悪くなり、根腐れの原因になります。特に夏場は蒸れやすいため、早めに外すことが推奨されます。
- 注意点: 鉢底に水が溜まっていないか確認してください。ラッピングが防水仕様であっても、水が溜まったまま放置すると胡蝶蘭の寿命を縮めてしまいます。
「お花を長く楽しんでいただきたいので、1週間ほどしたらラッピングを外してあげてくださいね」と一言添えることができれば、あなたの評価はさらに高まるでしょう。
信頼を包むラッピングで、一歩先のビジネスギフトを
胡蝶蘭のラッピングは、単なる包装紙ではありません。それは、あなたの会社の誠実さと、相手の繁栄を願う心を形にしたものです。
「赤字」や「火事」を連想させる赤色を避けるといった基本マナーを遵守しつつ、素材や配色にこだわることで、数あるお祝いの花の中でも一際目を引く、品格ある贈り物になります。
あなたの選んだラッピングが、大切な取引先との信頼関係をより強固なものにする一助となることを願っています。





