「春の花粉症シーズンは終わったはずなのに、なぜか鼻水やくしゃみが止まらない」「7月に入ってから目のかゆみがひどくなった」と、あなたは戸惑いを感じていませんか。
スギやヒノキの飛散が終わる時期に現れるその症状は、決して気のせいではありません。実は7月は、イネ科を中心とした「夏の花粉症」が猛威を振るう時期なのです。
本記事では、あなたが抱えている不快な症状の正体を解明し、日常生活でできる具体的な対策や、医療機関を受診する際の目安について詳しく解説します。原因を正しく理解することで、夏のアウトドアや日常生活を快適に取り戻す一歩を、私と一緒に踏み出しましょう。
7月に花粉症のような症状が出るのはなぜ?「夏の花粉症」の正体
7月に鼻や目にアレルギー症状が出る主な原因は、スギやヒノキとは異なる植物の花粉です。日本では約60種類もの花粉症原因植物が確認されており、夏に飛散のピークを迎えるものも少なくありません。
花粉症は、スギなどの植物の花粉が原因で起こるアレルギー疾患で、日本では約60種類の原因植物が知られています。くしゃみ、鼻みずといった鼻の症状や、目のかゆみ、充血といった目の症状が一般的ですが、人によっては、皮膚のかゆみ、のどの痛みやかゆみ、せき、頭痛、発熱などあらゆる症状があらわれます。
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春の花粉症を経験しているあなたは、「花粉症=春」というイメージを持っているかもしれません。しかし、7月の症状は「夏の花粉症」という認識された病態であり、適切な対処が必要です。
7月に飛散する主な花粉の種類と特徴|イネ科・キク科の基礎知識
7月に注意すべき主な原因植物は、イネ科とキク科です。
イネ科植物(カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなど)
7月の花粉症の主犯格はイネ科の植物です。特にカモガヤなどは、5月から7月にかけて飛散のピークを迎えます。
6~7月:5月にピークが到来したイネ科花粉は、少ないながらも10月頃まで飛散します。
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これらの植物は、スギのように数キロメートル先まで花粉を飛ばすのではなく、数十メートル程度の範囲に飛散するのが特徴です。そのため、河川敷、空き地、公園、あるいは雑草の生い茂った道端など、身近な場所に原因が潜んでいます。
キク科植物(ブタクサ、ヨモギなど)
地域によっては、7月下旬からキク科のブタクサやヨモギの花粉が飛び始めることがあります。これらもイネ科と同様に背の低い雑草であるため、近づかないことが最大の防御となります。
夏の花粉症特有の症状|春のスギ花粉症や風邪との違い
7月の花粉症には、春のスギ花粉症とは少し異なる特徴があります。
夏の花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが一般的な症状です。しかし、イネ科の花粉によるアレルギー反応では、目のかゆみや充血が特に強く現れることが多いです。
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また、喉のイガイガ感や咳、皮膚のかゆみ、全身の倦怠感を伴うこともあります。
比較表:夏の花粉症・春の花粉症・風邪の見分け方
| 項目 | 夏の花粉症(イネ科等) | 春の花粉症(スギ等) | 風邪 |
|---|---|---|---|
| 主な原因 | カモガヤ、ブタクサ等 | スギ、ヒノキ | ウイルス感染 |
| 目の症状 | 非常に強い(かゆみ・充血) | 強い | ほとんどない |
| 鼻の症状 | 水っぽい鼻水、くしゃみ | 水っぽい鼻水、くしゃみ | 粘り気のある鼻水 |
| 喉の症状 | イガイガ感、咳 | 違和感 | 痛み、腫れ |
| 発熱 | ほとんどない | ほとんどない | 高熱が出ることもある |
| 持続期間 | 花粉飛散中(数週間〜) | 花粉飛散中(数ヶ月) | 1週間程度で回復 |
さらに、イネ科花粉症の人は「口腔アレルギー症候群(OAS)」を併発することがあります。これは、特定の果物(メロン、スイカ、オレンジなど)を食べた際に、口の中や喉がかゆくなったり腫れたりする症状です。心当たりがある場合は、食物との関連性にも注意が必要です。
今日からできる7月の花粉症対策|日常生活での予防とセルフケア
原因が雑草の花粉であるため、物理的に花粉を避けることが非常に有効です。
1. 花粉の多い場所に近づかない
イネ科の植物は背が低いため、花粉は遠くまで飛びません。河川敷でのジョギングや、草の多い公園への立ち入りを控えるだけで、吸い込む花粉の量を劇的に減らせます。
2. マスクとメガネの着用
外出時のマスクとメガネは、夏でも強力な武器になります。
マスクをしない場合と比べ、普通のマスクで約3分の1、花粉症用マスクで約6分の1に鼻粘膜への花粉付着数を減らせるという実験結果があります。
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3. 家の中に花粉を持ち込まない
帰宅時は玄関前で服を払い、すぐに洗顔やうがいをしましょう。また、7月は晴天が多いですが、花粉が気になる日は洗濯物の室内干しを検討してください。
病院へ行くタイミングと検査方法|アレルギー科・耳鼻咽喉科での診断
「たかが花粉症」と我慢せず、日常生活に支障が出ている場合は早めに医療機関を受診しましょう。
受診の目安
- 市販薬を数日使っても症状が改善しない
- 目のかゆみが強く、仕事や勉強に集中できない
- 喉の痛みや咳が続き、夜眠れない
- 特定の食べ物で口の中が荒れる(OASの疑い)
アレルギー検査で原因を特定する
病院では、血液検査によって何のアレルギーがあるかを調べることができます。最近では、少量の血液で短時間(約30分〜)に結果がわかる「ドロップスクリーン検査」を導入しているクリニックも増えています。
原因が特定できれば、その植物の飛散時期に合わせた「初期療法」が可能になります。
花粉症の薬を飲み始めるタイミングは、症状が出始める前の「花粉飛散予測の1〜2週間前」が理想的です。
7月の花粉症を正しく理解して、快適な夏を過ごすために
7月に感じる鼻水や目のかゆみは、あなたの体が発している「夏の花粉」へのサインかもしれません。
「春ではないから花粉症ではないはず」という思い込みを捨て、まずは身近な雑草を避け、マスクなどで物理的な対策を始めてみてください。それでも症状が続くなら、専門医によるアレルギー検査を受けることが、根本的な解決への近道です。
原因を正しく特定し、適切なケアを行うことで、あなた本来の健やかで快適な夏を取り戻しましょう。