「アジサイかな?」と思って近づいてみると、どこか違和感がある。そんな経験はありませんか。
5月の連休前後、散歩道で満開を迎える白い手毬のような花。アジサイにしては時期が早い気がするし、でも見た目はそっくり。そんなあなたの「この花、本当は何?」というモヤモヤを解消しましょう。
実は、5月に見かけるその花の正体は、アジサイではなく「オオデマリ」であることがほとんどです。植物の名前がわかると、いつもの景色がまるで図鑑をめくるような楽しさに変わります。本記事では、葉っぱ一枚、花びら一枚から正体を突き止める魔法のチェックリストをお届けします。
【比較表】アジサイ・オオデマリ・アナベルの決定的な違い
まずは、混同されやすい3つの植物の違いを一覧で確認しましょう。注目すべきは「時期」「葉」「花びら」の3点です。
| 特徴 | オオデマリ | アジサイ(一般的な手毬咲き) | アナベル(アメリカアジサイ) |
|---|---|---|---|
| 主な開花時期 | 5月(連休前後) | 6月〜7月(梅雨時期) | 6月〜7月 |
| 分類 | ガマズミ科 | アジサイ科 | アジサイ科 |
| 葉の質感 | 深いシワがあり、カサカサしている | 光沢があり、ツルツルしている | 薄くて柔らかく、光沢はない |
| 花びらの数 | 5枚(5裂) | 4枚(萼片) | 4枚(萼片) |
そもそも「アジサイ」という言葉が何を指すのかについて、以下の定義が参考になります。
アジサイの名は、広義には、アジサイ属(ハイドランジア属)のうち、椀状や円錐状の花序をつける植物の総称として使われています。狭義には、ガクアジサイ(H.macrophylla f. normalis)が変化した手まり咲きのアジサイ(H. macrophylla f. macrophylla)を指します。
迷ったら「葉っぱ」を見て!一瞬で見分ける2つのポイント
花が似ていて区別がつかないとき、最も確実な判別基準となるのが「葉」の観察です。
1. 葉の「シワ」をチェック
オオデマリの葉には、網目状の深いシワがくっきりと刻まれています。見た目にも凹凸が分かり、触ると少し硬くカサカサした質感です。一方、一般的なアジサイの葉は厚みがあり、表面に光沢があってツルツルとしています。
2. 葉の「縁」と「形」
アジサイの葉は卵形で、縁に粗いギザギザ(鋸歯)があるのが特徴です。オオデマリもギザギザはありますが、全体の形がより丸みを帯びており、シワの影響で波打っているように見えます。
花びらの枚数を数えてみよう|4枚ならアジサイ、5枚ならオオデマリ
次に、花の構造をじっくり見てみましょう。一見するとどちらも小さな花の集まりですが、その「花びら(正確には萼片など)」の枚数に違いがあります。
- オオデマリ:5枚(5裂)
- アジサイ(アナベル含む):4枚
この違いは、植物学的な分類(科の違い)によるものです。
オオデマリは基本五弁、アナベルは4弁。このオオデマリがドライになればいいんだが、この種は未結実牲なので、開花数日で花びらが(ガクの変化したものだが)落ちてしまう。
このように、花びらの枚数を数えるだけで、目の前の花がガマズミ科のオオデマリなのか、アジサイ科の植物なのかを100%確実に見分けることができます。
他にもある「アジサイに似た花」一覧|形や特徴まとめ
オオデマリやアナベル以外にも、アジサイと間違われやすい植物はいくつか存在します。
- ビバーナム・スノーボール
オオデマリと非常によく似ていますが、葉の形が3つに分かれている(カエデのような形)のが特徴です。 - カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)
名前の通り、葉が「カシワ」のような形をしています。花は円錐状に長く伸びて咲きます。 - ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)
アジサイの仲間ですが、開花が7月〜8月と遅く、ピラミッド型に花が咲きます。 - ランタナ
小さな花が集まって手毬状になりますが、色が非常にカラフルで、葉を触ると独特の強い香りがあります。
正体がわかったら楽しみたい、季節の飾り方とコツ
花の正体がわかると、その特性に合わせた楽しみ方ができるようになります。
オオデマリは「水揚げ」が肝心
オオデマリは切り花にすると非常に水が下がりやすい(しおれやすい)植物です。飾る際は、茎を十字に割ったり、中の白い綿を取り除いたりして、水を吸い上げやすくする工夫が必要です。
アナベルはドライフラワーに最適
アジサイ科のアナベルは、花びらが薄く水分が少ないため、ドライフラワーに非常に向いています。一方、先ほどの引用にもあった通り、オオデマリは花びらが落ちやすいため、ドライフラワーとして長く楽しむのにはあまり向いていません。
あなたの想いを込めて選んだ花が、どちらの種類なのか。それを知るだけで、手入れの方法も、愛着のわき方も変わってくるはずです。
お散歩中に見つけた花を、ぜひ葉っぱまでじっくり観察してみてください。名前がわかると、あなたの毎日の景色がもっと愛おしくなりますよ。