窓の外でしとしとと降る雨音に耳を傾けていると、ふと大切な誰かの顔が思い浮かぶことはありませんか。外出が億劫になりがちな梅雨の季節こそ、静かに机に向かい、手紙をしたためる絶好の機会です。
デジタルな通知が溢れる現代だからこそ、あなたの手書きの文字で届けられる季節の挨拶は、受け取った方の心を温かく灯す特別な贈り物になります。「何を書けばいいのかしら」と難しく考える必要はありません。6月ならではの情景を言葉にのせて、あなたの想いを届けてみませんか。本記事を読めば、相手の心に寄り添う、あなたらしい一通が完成します。
6月の時候の挨拶と二十四節気|時期に合わせた言葉選び
手紙の冒頭に添える「時候 of 挨拶」は、単なる形式ではありません。それは、日本の美しい四季をあなたと相手で分かち合い、健やかな暮らしを願うという、細やかな心遣いの表れです。
6月は、暦の上では「芒種(ぼうしゅ)」から始まり、一年で最も昼が長い「夏至(げし)」へと移り変わる時期です。上旬・中旬・下旬で、選ぶべき言葉のニュアンスが少しずつ変化します。
6月の時期別・時候の挨拶一覧
| 時期 | 二十四節気・目安 | 漢語調(改まった表現) | 口語調(親しい表現) |
|---|---|---|---|
| 上旬 | 芒種(6/5頃〜) | 芒種の候、薄暑の候 | 衣替えの季節、初夏の風に |
| 中旬 | 入梅(6/11頃〜) | 入梅の候、長雨の候 | 紫陽花が色づく頃、梅雨空が続く毎日ですが |
| 下旬 | 夏至(6/21頃〜) | 夏至の候、向暑の候 | 夏至を過ぎ、日増しに暑く |
時候の挨拶は、相手の健康を気遣ったり、今後の発展を願ったりする意味合いも込められています。そのため、季節に合った言葉や行事を手紙の書き出しに取り入れることが大切です。
出典:起業ログ
【相手別】6月の書き出し例文集|ビジネスから親しい友人まで
手紙を書き始める際、最初の一行に迷ってしまうことは多いものです。6月の手紙では、雨という言葉をあえて「恵みの雨」や「雨に映える緑」と表現することで、受け取る側の気分を晴れやかにすることができます。
1. ビジネスや目上の方へ(改まった表現)
ビジネスシーンでは、頭語(拝啓など)に続けて、格調高い漢語調の時候の挨拶を用います。
- 例文A: 拝啓 初夏の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 例文B: 謹啓 長雨のみぎり、皆様におかれましては、いよいよご健勝のことと拝察いたしております。
手紙の書き出しとは頭語と前文のことで、「拝啓 初夏の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」などと書く部分のことです。季節に触れ、相手方の安否を気遣う言葉を添えます。
出典:起業ログ
2. 親しい友人や知人へ(柔らかな表現)
親しい間柄であれば、身近な自然の変化や、あなたの日常を感じさせる言葉を選ぶと、より親密さが伝わります。
- 例文A: 紫陽花の花が雨に映える季節となりました。あなたはいかがお過ごしでしょうか。
- 例文B: 暦の上では夏至を迎えましたが、本格的な夏が待ち遠しいこの頃、お変わりありませんか。
3. 梅雨の時期をポジティブに伝える工夫
「うっとうしい雨」という表現を避け、6月特有の美しさに目を向けてみましょう。
6月は梅雨に入って気候が不安定になると共に、夏至もあり夏が本格化する季節。とかく「雨」という言葉を使いたくなりますが、「紫陽花」や「鮎」、「青空」「日傘」など明るい印象の言葉を用いるのもお薦めです。
心を整える結びの言葉|相手の健康を願う6月の末文
手紙の締めくくりである「結びの挨拶」は、相手の余韻に残る大切な部分です。6月は気温の変化が激しく、体調を崩しやすい時期でもあります。相手の健康を心から願う言葉を添えて、筆を置きましょう。
6月にふさわしい結びの例文
- 改まった手紙: 梅雨冷えの折、何卒ご自愛ください。
- 親しい手紙: 本格的な夏を前に、体調を崩されませんよう健やかにお過ごしください。
- ビジネス: 貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
梅雨に入り、しとしとと続く雨に心が沈みがちな6月は、湿気や気温の変化で体調を崩しやすい時期です。そのため、相手の健康を気遣う言葉が欠かせません。あじさいや蛍、雨に映える風景を表現に織り交ぜながら、穏やかで落ち着いたトーンで挨拶を綴りましょう。
手紙をより素敵にするプラスアルファの工夫
形式を整えるだけでなく、視覚的にも6月らしさを演出することで、あなたの手紙はより一層魅力的なものになります。
- 便箋と封筒の色彩: 水色、薄紫、若草色など、雨上がりの風景を連想させる淡い色調を選ぶと、涼やかで上品な印象を与えます。
- 季節の切手: 紫陽花や花菖蒲など、6月の花が描かれた記念切手を使用するのも、受け取ったあなたの大切な人を笑顔にする素敵な演出です。
- 一筆箋の活用: 贈り物に添える際などは、一筆箋に「雨の季節、どうぞお健やかに」と一言添えるだけでも、あなたの真心が伝わります。
梅雨の時期は外出が億劫になります。家の中で過ごしたいこの季節こそ、机に向かい、手紙をしたためてみませんか? 不安定な気候で体調を崩しがちなので、ご様子を伺う手紙を出してみるのはいかがでしょう。温かい直筆の手紙は、きっと相手の心をホッと和ませるはず。うっとうしい空とは裏腹に、晴れ晴れとした気持ちへと導いてくれるでしょう。
雨の日は、私自身の心とも、そして大切なあなたとも、ゆっくりと向き合える貴重な時間です。形式に縛られすぎず、今のあなたが感じている季節の彩りを、そのまま言葉にしてみてください。
あなたの想いが込められた一通の手紙は、雨空の下にいるあの人の心に、きっと明るい虹を架けてくれるはずです。大切なあの人へ、今日から一筆したためてみませんか?